『スタジオバンナ企画 tico moon ナイト』

いきなりですが、、、スタジオバンナで企画してみました。
申し込みをお待ちしています。

『スタジオバンナ企画 tico moon ナイト』

 ■2012年6月26日(火)

◇Open/18:00
◇Start/19:00
◇Charge/3600円(食事込み)
    (小学生以下1500円)

限定30名
(定員となりましたので受付を終了致しました)



tico moon(ティコムーン)

ハープ奏者/吉野友加さんと
ギター奏者/影山敏彦さんによって
結成されたデュオユニット。

アイリッシュハープとアコースティックギターという、
他ではあまり聴く事の出来ない温かく透明感のある
その演奏や楽曲には定評があります。

tico moonの優しい音色に包まれて、
札幌宮の森イタリア料理 オットウーノ』オーナーシェフ 
駒村八一さんの
北海道イタリアンと
奄美在住の料理研究家 田町まさよさんが作る奄美料理。
北と南の素材が織りなす料理を堪能して頂きます。

料理のうつわは、工藤和彦!
そして、壁面には旭川の画家、
今津智士さんの
ファンタジックな絵画が飾られます。

この盛りだくさんな一夜限りの実験的
コラボレーション企画を是非お楽しみください。
お申し込みをお待ちしています。

<演奏>
tico moon

<料理>
イタリア料理 オットウーノ オーナーシェフ
駒村八一

奄美料理人
田町まさよ

<うつわ>
工藤和彦

<絵画>
今津智士

□場所 モノ作りを楽しむ空間『スタジオバンナ』
http://banna.jp/
北海道旭川市東山2857-46

□お申込み方法 限定30名。定員に達し次第締め切りとさせていただきます。
        下記メールアドレス宛に、タイトル「tico moon ライブ」とし、
        お名前・人数・携帯番号をご明記ください。

        info@kazuhiko-kudo.com

□お問合せ先 090-6211-1797 (工藤)


名前があるのは嬉しい!

 旧旭川温泉という、どでかい建物をどのように活用しようか考えるのはとても楽しい。
 毎日、毎日眺めては計画を練っている。
 子どもの頃からモノ作りが好きで陶芸家になったようなものだが、これほどワクワクさせるモノ作りに出会えたのは幸運だと思う。

 とにかく散乱した空間の掃除から初めているが、途方もない作業だ。

 それにしても、モノを作る時には出来上がるものに名前をつけたい。
 名前が決まっていないと、いつまでたっても旧旭川温泉という呼び方になってしまう。

 しかし、いろいろ考えてはみるものの、どうしてもしっくりしたのが思い浮かばない。
 こういう時には、学識ある方の助言を聴く事が一番!という事で宗教学者の正木晃先生に命名をお願いした。

 正木晃先生は日本密教、チベット密教の研究者で、多くの著書やテレビ出演などで広く世間に知られている方です。
 知り合うきっかけとなったのは正木晃先生の著書「マンダラとは何か」(NHKブックス)を拝読した折に、その解釈の中にアール・ブリュットとの共通点を見いだしたので、その疑問を正木先生に問い合わせたのが、お知り合いになったいきさつです。
 アートディレクターをした「アロイーズ」展では講演をしていただきました。
 正木先生のお話を聞くたびに、密教の魅力に気がつきます。

 正木先生は胎蔵曼荼羅(たいぞうまんだら)金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)両界の中心におられる大日如来にちなんで「バンナ」と命名下さいました。これは、ありとあらゆる世界、宇宙そのものを表す意味を持っているそうで、漢字では「鑁阿」となります。
 
 ありとあらゆる世界が交錯する表現の拠点=「スタジオバンナ」

 「スタジオバンナ」とてもいい響きです。良い名前を頂きました!
  名前があるのは嬉しい!


      

フェルディナン・シュバルという巨人 〜シュヴァルの理想宮〜

 僕が尊敬する人にフェルディナン・シュバル(1836-1924)という人がいます。この人は「シュヴァルの理想宮」の制作者として知られている人です。
 この「シュヴァルの理想宮」はフランスのリヨンから車で1時間ぐらいのところにあるオートリーヴという小さな田舎町にあります。僕は以前からフランスに行ったら、この建物を絶対に見てみたいと思っていました。その願いが叶ったのがちょうど2年前のことです。


 
 目の前で見ると、写真とは比べ物にならない大迫力です。高さは10メートルにもなります。この建物をシュヴァルさんは、たった一人で33年を費やして創作したのですから驚きです。

 建造のきっかけの話も大変興味深いです。
 郵便配達夫であるシュヴァルさんは1日30キロにも及ぶ配達エリアを徒歩で回っていました。元々空想癖のある彼にとっては様々な考えを巡らせながら歩くのは苦ではなかったそうです。ある時、歩いていると道でシュヴァルさんは石につまずきます。良く見ると、それは不思議な形をしている石だったようで、その石からシュヴァルさんは理想とする宮殿のイメージを膨らませたのです。

 建物の2階部分のテラスにこの「つまずいた石」が大切に安置されていました。
 写真中央にあるのがそれです。やはり、不思議な形をしています。



 シュヴァルさんは仕事を終えると、手押し車で石を集め毎日、毎日、石を積み上げました。あまりにもの没頭ぶりに、村人たちからは「変人が奇妙な建物を作っている」と言われ続けたそうです。それでも彼は黙々と取り憑かれたように作業していたと伝えられています。



 誰にも理解されず、孤独のうちにただひたすらに創作への執念に向かっていたシュヴァルさんの姿はどういうものだったのでしょうか。きっと生き生きとしていたに違いありません。
 自分が取りかかっている創造がどれだけ凄いものになるかというイメージがすでにあったのではないでしょうか。建物のいたるところに彼のメッセージが書き込まれています。

 『夢・・それはこの宮殿は巨人が作ったと思われることだ。それは自分への贈り物だ。人間業を超えたこの仕事が後の成功へと繋がる』
 『人生はすきま風が通るような早さだ。だが、思想は永遠に残る』

 これらの文章から、シュヴァルさんの完成に向けた熱意、決意のようなものが伺えます。
 理想宮が出来上がってみると、多くの人が関心を寄せるようになりました。ピカソもその一人で感激し絶賛したそうです。1963年になるとフランスの文化財として登録され、今では村のシンボルとなっています。



 保存管理されていますが、理想宮には上がることも出来ます。
 ありがとうシュヴァルさん。感謝!!



 細部にわたって作り込まれている。何時間でも何日見ていても飽きない。
 永遠に続くクリエイション世界への陶酔。
 創造したジュヴァルさんはきっと空想も巡らし、毎日楽しかったんだろう。

 死んだら、この宮殿に埋葬してもらおうと思っていたシュヴァルさんでしたが、存命中に観光地となってしまったこともあって、今度は11年かけて自らの墓を作りました。



 きっと、シュヴァルさんのことですから、
 あの世でも自分のために何万年もかかる神殿を作っているかもしれないと僕は想像しています。どんなものになっているのか空想するだけでワクワクします。

 

旧旭川温泉から何が沸き出す?  

旧旭川温泉から何が沸き出す?  

 昨年秋に大きな買い物しました。カタクリの群生地で有名な突哨山にある旧旭川温泉です。約3000坪の土地に、鉄骨の本館と木造の別館合わせて床面積が1000屐8朕佑所有するには文字通り大きすぎる買い物です。
 
 年配の旭川市民であれば、この旧旭川温泉で宴会などをした経験があるのではないでしょうか。開業当時を知る方によると、とても繁盛していたそうです。間取りを見ても、大宴会場には200人規模、その他に5室も宴会場があって、最大300人ぐらいの収容力があると思われます。かつての繁栄ぶりが偲ばれます。
 
 しかし、営業を止めてからすでに20年近く。その華やかな面影は現在まったくありません。外壁は風雪にさらされて朽ち始め、興味本位による若者たちの廃墟探検なるものにより、窓ガラスや壁が壊されるなどの被害もあって、廃墟の様相が一段と増しています。
 
 この建物に初めて出会ったのは10年前。旭川市内に住居を探していた折に、友人が紹介してくれたのが旧旭川温泉の隣の住宅でした。廃墟感が漂う旧旭川温泉の存在が気がかりでしたが、森に隣接しており静かな環境だったのと、敷地も広かったので住宅をお借りすることにしました。陶芸をする工房は引っ越しして間もなく廃材を集めて、自力で庭に建てさせてもらいました。

 住んでみるとやはり、お隣の旧旭川温泉の存在には困りました。深夜になると建物に入り込んで大騒ぎする若者たち、不法投棄をする人などあったり、何度か警察に通報したり、以前の所有者に管理の強化をお願いしました。
  所有者は遠方にお住まいという事情もあって、7年前から私が旧旭川温泉を作業場として使用する代わりに、ある程度の管理をする取り決めをしました。敷地の清掃や修繕、監視を強化することでトラブルは激減しました。
 
 住めば都とは良く言ったもの。10年も経つと、それなりにこのどうしようもないと思える物件にも情がでるもので、どうにかうまく再生したいと思い始めました。そんな矢先に売却の話が持ち上がり、不思議なご縁で私が旧旭川温泉を引き継ぐ所有者となりました。天命だったのかもしれません。
  
 所有者となって、まず旧旭川温泉の壁に1枚の写真を貼りました。フランスの片田舎に33年の歳月をかけて、一人で石とセメントで理想宮を作り上げた郵便配達夫のフェルディナン・シュヴァル(1836-1924)の白黒の写真です。



 尊敬するシュヴァルの信念のように私も根気よく、創作(建物の再生)に立ち向かって行きたいと思います。スペースが広いというのは、物を作る人にとっては都合がいいものです。それは色々なチャレンジが出来るからです。いま私は大きなステージを得て、新しいチャレンジにワクワクしています。

 旧旭川温泉から沸き出すもの。それは「ものづくり魂」!

(あさひかわ新聞 2012年5月8日発刊 連載「アール・ブリュットな日々」より)

ところで、、、、

 廃墟探検や心霊スポットなどとした恐いもの見たさの建物への侵入行為はとても、とても困ります。こちらにとっては昼夜に敷地を知らない人にウロウロされるのは怖いことなんです。
 所有者の承諾がなく建物に入ると無論、不法侵入罪。ガラスを割れば器物損壊罪、物を盗めば窃盗罪。実際に侵入して来る者に対しては駐車している車のナンバーを確認して毎回警察に通報するなどしていますので、中には駆けつけた警察官に連行された若者たちが数人います。こちらとしても警察に連れて行かれる若者の姿を見るのは後味の悪いものです。

 これらの行為は周囲の人に迷惑をかけるばかりでなく、自身が思いもかけない怪我や事故に繋がることもあったり、なんと言っても犯罪者とみなされてしまいますので、廃墟探検や心霊スポット探検などの行為はやめましょう。
 あと、マスメディアやインターネットを介して、これらの行為を助長させることもやめてほしいものです。