常滑散策 キンモクセイの香り

 名古屋のうつわのお店「季器」さんで開催される個展で会場に在廊するため、中部国際空港に行った。空港から、名古屋市内に向かう電車の路線を見ていたら「常滑」に気がついた。
焼き物の街「常滑」は空港から、驚くほど近い。行く予定はなかったが、つい足が向いてしまった。

 常滑には、高校2年生の時に訪れた。しかし、駅を降りて街を眺めるが、町並みは随分変わっていて何処をどのように回ったのかよく思い出せない。
とにかく歩いてみると、、、、、
コンクリートの壁に招き猫がいっぱい。
よく壊されないものだ。さすが陶器の街!と妙に感心。


旭川だと冬の寒さで、痛んでしまうのであり得ない光景だ。
鯉江良二さんのニャンコもあった。


 常滑の駅に置かれている観光マップは内容が充実していて、散策するのに参考になる。
僕は、こういうマップを見ていると町外れにある施設が気になってしまう。
観光者が行きそうもない「常滑市民俗資料館」だ。徒歩だと随分ありそうだが、気合いで出発する。
 常滑はアップダウンが多いので歩くのにはつらい。この地形を利用して穴を掘って窯を作った訳で、だからこそ陶器の街として栄えたのだ。
 常滑の歴史は古く、六古窯のひとつとなっている。六古窯とは、瀬戸焼(愛知県瀬戸市)常滑焼(愛知県常滑市)越前焼(福井県越前町)信楽焼(滋賀県信楽町)丹波焼(兵庫県篠山市)備前焼(岡山県備前市)高校の時に電車、バス、ヒッチハイクなどもして制覇した。
 最近、北海道で常滑の古い時代の壷が発掘されたことが確認されて、常滑とアイヌの交易がちょっとした話題となっているので、ちょうど常滑には興味があった。



やっとのことで「常滑市民俗資料館」に到着。汗だくだ。皮パンはつらい。それにしても閑散として誰一人としていない。

何と、常滑民俗資料館は入場料が無料!しかも、展示の内容は素晴らしい。常滑の超一級品が並んでいる。特に圧巻は常滑特有の大壺の展示。

初期平安時代から近代まで年代順に並べてあるので、その変化がよく分かる。

また常滑に行ったら是非訪ねたい。

常滑民俗資料館を出て坂を下る。途中、キンモクセイが匂い立つ。

常滑の街には大きなレンガの煙突が目立つが、草や苔が生えているものが多い。近代まで甕や土管を薪や石炭で焼いていたものだろう。

 信楽で5年を暮らした僕にとって、常滑の風景は何ともノスタルジックで心地よい。まるで今、ここに自分が住んで陶芸をしているような錯覚すら感じる。一瞬、陶芸をするには常滑は良いところだなーと思ってしまう。こういう陶の産地を訪ねると気持ちが引っ張られてしまう。

 「そうじゃない。産地でなし得ない僕にしか出来ない北海道での創作活動に情熱を燃やすのだ。」自問自答を繰り返し、夕暮れの常滑の町並みを歩いた。

どうやら、常滑に漂うキンモクセイの香りが僕を惑わした。

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Kazuhiko Kudo, a Japanese potter in Hokkaido

Kazuhiko kudo introduction in English by The Tripout.


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個展*ギャラリー天心(兵庫)
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