いよいよ本焼へ!

  素焼きしたものに釉薬をかけます。釉薬というものは、うつわの表面を保護するために施すもので、高温で焼くとガラス化します。それによって強度も増してくるのです。この釉薬の調整次第で大きく出来上がりは左右されます。

 写真に写っている桶に釉薬が入っています。僕のオリジナルのブレンドです。楢の木の灰(薪ストーブで燃やしたもの)と長石(解けるとガラスになる鉱物)を混ぜたものです。単純なブレンドですけども、単純なものほど濃さや焼成温度に左右されるので難しいとも言えます。灰のワイルドさを出すのにはこのくらいシンプルで良いと思います。
 
 そして窯に入ります。窯は電気の窯です。電気の窯はプログラミングして温度の制御が出来るので、微妙な色合いを再現できる優れたものだと思います。とは 言っても、その都度焼成の条件は変わってくるので、最後は自分の勘にたよるしかありません。機械は所詮、機械です。
 空間に無駄の無いように置いて行きます。耐熱性の板(カーボランダム)と支柱でどんどん窯の中に棚を組み立てて行きます。途中で崩れると大変な事になってしまうので慎重な作業です。

 僕のところには窯が6台ありますが、この写真 の窯が古株でもうボロボロだけど一番頼りがいのあるやつです。
 
 さて、いよいよ本焼きです。本焼では、少しずつ温度を上げて1日かけて1230度ぐらいを目指します。

 粘土の性質によって焼成温度は異なります。一般的に鉄分が多い粘土は耐火度が低く、鉄分が無いものほど耐火度は高くなります。鉄分が少なく陶石という鉱物を主体としている磁器土なんかは、粘土に比べ耐火度が高く1300度ぐらいにしないと焼き締まりません。高温で焼き締まるものほど強度が増すのと同時に吸水性も無くなってきます。だからといって、耐火度が低いものを高温で焼成してしまうとガラス化しすぎてもろくなってしまうし、耐火度が高いものを低く焼いてしまうと強度がありません。重要なのは適切な温度で焼く事です。
 
 使用する粘土によって焼き方も違う。土地の特質によって焼き物の個性が必然的に生み出される訳です。自然に寄り添って表現させてもらうといった謙虚な気持ちになってきます。
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